最近、「はなかっぱ」が大ブーム。
で、僕も哲学書を読みながらチラ見程度で、みているのですが
正直、どこに人をひきつける魅力があるのか
さっぱりわかりません。
「『アンパンマン』みたいなバトル的な見せ場があるわけでもないし、
『おでんくん』みたいな濃いキャラたちによるシュール展開が
あるわけでもないし……」
でも、見ると必ずひきこまれて最後まで観ちゃうんだよなー、
と常々疑問に思っていたのですが、
たしかにいつも展開はワンパターンなんですよね。
(1)「がりぞー君(バイキンマン的なキャラ)」が、
主人公の「はなかっぱ
(興奮すると、頭に様々な花を咲かせる不思議な生物)」
にちょっかいを出す。
(2)ちょっかいを出す理由は、「はなかっぱ」の頭に
「ワカラン」という伝説の花を咲かせるため。
(3)で、「ワカランを咲かせろー」と
「がりぞー君」が様々な罠をしかけて、
毎回、「はなかっぱ」を追い詰めるが、
毎回、「はなかっぱ」の頭には全然違う花が咲く。
(ひまわりとか、チューリップとか)
それをみて、「がりぞー君」がぎゃふん。(オチ)
という感じ。
うーん、じゃあこの作品の魅力はいったい何なんだろう。
そう考えていたとき、ふと「ぜんまいざむらい」を思い出しました。
哲学的名言集(ぜんまいざむらい)
そういえば、「ぜんまいざむらい」って、いつもワンパターンだけど、実は
「善行しなければ死んでしまう状況において、善行をするのは
果たして真の善行と言えるのかどうか」
という哲学的な問いかけを含んだ名作アニメだったじゃないですか。
もしかしたら、「はなかっぱ」にもそういうテーマがあるのかもしれない。
そう思って、ネットで調べてみると、
なんと、伝説の花の「ワカラン」は、実は、「若返りの薬」になる、
という設定があるのだそうです。
で、「がりぞー君」は、年老いたおじいちゃんに言われて、
その花を持ってきてくれ、と頼まれているという状況とのこと。
うわっ、そんな重い話だったのか!
と、びっくりしたところで、あれ?と思いました。
というのも、「はなかっぱ」の家族にも「おじいちゃん」がいるからです。
そんな便利な花があるなら、自分から積極的に「ワカラン」を咲かせて、
自分のおじいちゃんにあげればいいのに……。
そこで、ハッと気がつきました。
「そうか、それがアニメ『はなかっぱ』のテーマだったのか」
この作品の「意図、狙い、子供たちに伝えたいこと」
が完全にわかりました。
きっと「はなかっぱ」の最終回はこうなると思います。
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ある日の朝、いつもどおり家族団らんで
ご飯を食べている「はなかっぱ」一家。
しかし……。
「……ごちそうさまじゃ……」
「あれ?おじいちゃん、ぜんぜん食べてないじゃん。
おなかでも痛いの?」
「いや、ちょっと食欲がなくてな……」
そしてその日から、おじいちゃんの身体はどんどん弱っていき、
とうとう寝たきりになってしまう。
おじいちゃんを救うためには「ワカラン」の花が必要だと
「がりぞー君」から聞いた「はなかっぱ」は、
世界中を旅して、「ワカラン」を探すが……、見つからない。
失意の中、諦めかけたそのとき……。
がりぞー「はなかっぱ!おまえの頭!」
はなかっぱ「え?え?もしかして、これがワカラン?」
探していた花が、なんと自分の頭の上に咲いていたのだ!
大喜びで、おじいちゃんにワカランを届けに行く、はなかっぱ。
「おじいちゃん、ほら、ワカランだよ!
これで若返って元気になって!」
しかし、おじいちゃんはそれを拒否。
「いいんじゃ……はなかっぱ……。
春夏秋冬……朝昼晩……。
花は散るからこそ……
美しいのじゃ……(がく)」
「おじいちゃあああああああああああああん!」
(はなかっぱの号泣にあわせて、エンディング曲がかぶさる)
めそめそたくさん泣いたあとは
イェーイ!イェーイ!飛ぶのさ♪
泣き虫にさよなら〜♪
はなはなかっぱっぱっぱっぱ♪
そして、エンディング曲がフェードアウトして、エピローグ。
顛末をきいた「がりぞー君のおじいちゃん」が、
「がりぞー君」に語りかける。
「もう良い……」
「え?」
「ワカランはもう取ってこなくて良い……。
それよりも、おまえは何をしたい?
何をホントウにしたい?」
「……ぼ、ぼくは……
はなかっぱ、と……
はなかっぱと一緒に仲良く遊びたい!(号泣)」
「よし!おまえはもう自由じゃ!いけ、がりぞー!」
泣きながら駆け出す「がりぞー君」と
それを見送る優しい笑顔の「がりぞー君のおじいちゃん」。
「老人の延命のために、子供たちの人生を犠牲してはいけない。
わしらは……どこどこまで生きなくたっていい。
死んでいいのじゃ……
恥じることはない……
死のう
時 満ちたなら……!」
(完)
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っていう感じなんでしょうね、きっと。
こんな強いメッセージ性のある作品とは思いもしませんでした。
そう考えると、僕も「はなかっぱ」の放送が気になってきました。
突然のコメントをお許しください。
ナイスな最終回だと思います。
ですが、はなかっぱは普段まったりとした物語の進行なだけに・・・
はなかっぱ「おじいちゃん、結局ワカランってなんなんだろうね?」
おじいちゃん「ワカランはそれが何かわからんからワカランなんじゃ。それがわかったらそれはもうワカランじゃないじゃろう。」
はなかっぱ「ええ〜?なんだかわけがわかんないよ・・・」
おじいちゃん「そうじゃ、はなかっぱ。わからないということが大事なんじゃ。そんな風に考えるという事でワカランの種は確かにお前の頭の中にあるんじゃよ。実はワカランの種はお前だけじゃなくみんなの頭の中にあるもんなんじゃよ。みんなそれを考えながら育てていくんじゃ。そして1つのわからないことがわかった時、それは種から成長して花を咲かせることじゃろう。」
はなかっぱ「それってどんな花?」
「それがわからないからワカランなんじゃろう。だからお前が今まで咲かせたものもひょっとするとぜーんぶワカランじゃったのかもしれんし、全然まだ咲いとらんのかもしれん。お前はこれからもずっとそれを考えるんじゃ。」
はなかっぱ「ふ〜ん・・・なんだかよくわからないけど僕、頑張るよ!」
・・・と、まあ大体こんな感じでざっくり大団円
こんなパターンもアリかも。
長々と失礼いたしました。m(_ _)m
がりぞーに命令してるのは、がりぞーと行動を共にしてるアゲルちゃんのおじいちゃんです。黒羽根屋蝶兵衛といいます。がりぞーは蝶兵衛の友達の子供で、修行に来ていて、わか蘭の取得を命じられているという訳です。
ワカラン食べても一時的に若返るだけです。
過去にはなかっぱのおじいちゃんも、蝶兵衛も、はなかっぱ自身も食しております。(笑)
そんな我が家の子供たちもはなかっぱ大好きです。
うちの三番目が好きで見てます。