たまには、漫画話題を。
昔、はじめて読んだとき、すごい衝撃をうけて、
大好きになった漫画が「鉄鍋のジャン」です。
※以下、若干ネタバレなので注意
当時、結構、料理漫画はブームだったように思います。
(美味しんぼ、クッキングパパ、ミスター味っ子とか)
でも、たいてい、それら料理漫画に共通していたのは、
「相手のことを思いやった料理を作った方が勝ち」
「相手を感動させるような料理を作った方が勝ち」
「正しい食文化の知識を持っている方が勝ち」
というものでした。
しかし、鉄鍋のジャンは違います。
まず、主人公がとても凶悪な顔で、カカカカカ!と笑い、
他の料理人も、そして、料理を食べる側までも、
全員を見下した態度を取ります。
そして、「料理は勝負だ!」と言い放ち、
とにかく、他の料理人に勝つことだけを考える主人公なのです。
■普通の料理漫画の場合
普通の料理漫画の場合、料理対決はこんな感じでしょう。
まず、ライバルが作った料理を、審査員が食べる。
みんなうまいと褒めたたえる。
次に、主人公が作った料理を、審査員が食べる。
すると……「うわあああ!うまいい!断然うまい!」
と劇的に過剰に、主人公の料理を褒めまくる。
「これに比べたら、あいつの料理は味が単調で…」
などと突然、手のひらを返したように、ライバルの料理をけなし、
主人公の料理を絶賛。そして、なぜ、主人公の料理がこんなにうまいのか、
の種明かしの説明が始まる。
まぁ、だいたいこんな感じでしょうか。だから、
たいてい料理対決は、最初に料理を食べさせた側が負けになり、
後から食べさせた方が勝ち、という定番のパターンになります。
■鉄鍋のジャンの場合
しかし、ジャンだと違います。
まず、主人公が作った料理を、審査員が食べる。
みんな「まぁまぁだねえ、おいしいねえ」と普通に褒める。
次に、ライバルが作った料理を、審査員が食べる。
すると……「ぎゃあああ、まずいーー!こんなの食えるかー!」
とライバルの料理を口から噴き出す。
とか、こんな感じです。(笑)
このケースの場合、ライバルの料理人は、とても努力家の性格のいい人で、
一生懸命がんばって、油ものの料理を作るのですが、主人公は、それを察して、
「甘いスープ」を作って先に審査員に飲ませてしまう。
それで血糖値があがり、満腹感が高まると、
もはや脂っこい料理を食べても、うまくない、
という罠なのです。
つまり、この漫画の料理勝負は、
「相手の料理に勝てばいい」という価値観なのです。
なにより、一番笑ったのが、チャーハン作りの勝負で、
主人公が、「チャーハンは火力だ!!」とか言って、
とんでもない火柱をあげて、チャーハンを作るのですが、
実は真の狙いは、天井の火災探知機を作動させ、スプリンクラーを動かすこと。
次の瞬間、スプリンクラーから、大量の水がふってきて、
相手のチャーハンが水浸しになって台無しになってしまい……
主人公、大勝利ー!
…………。
って、もはや料理の美味しさ関係ねえ!!
とまぁ、他の料理漫画と、全然違う次元で勝負したりするところが、
新しくて僕はとても好きです。
というか、そうか、そういう料理漫画の発想もあったのか、
と目からウロコが落ちたのです。
(それが当たり前になる頃には、その斬新さが薄れてしまうのですが……
なので、ジャンは最初の巻ほど面白いです)
というわけで、★4つ。
評価★★★★(面白い!ぜひ読むべし!)
新しい発想を思いついて、きちんと他の料理漫画と
差別化した戦略が偉いなあと思いました。
2009年02月01日
この記事へのトラックバック
ワンナウツという漫画も(最近アニメになったのを知りました)他の野球漫画には無い要素があり楽しめました。漫画だけではなく新しい視点というのはとても大切ですよね!
本買いました(´∀`)これからも頑張ってください!
(飲茶)ありがとうございますー。僕は砂漠の野球部が好きでしたー。一番、高校が少ない鳥取県に、名門野球高校の落ちこぼれを集める、というカイジ的発想が素敵です。
『哲学的な何か、あと科学とか』は、もう少しで読み終わりそうです。読後は、またmixiの日記にアップしますので、よろしければ覗いてくださいませ^^
(飲茶)わーい、ありがとうございますー。楽しみにしてます。MIXIレビューの方にもアップしてくれると嬉しいですー>_<
個人的には麻薬キノコ使う話で「うっわ、これ料理漫画じゃねえw」と初めて気がつきましたw
アレは料理漫画の皮を被った違う何かですよw
ちなみに私は小此木くんが好きです。
ところで、Rは読んでますか?
(飲茶)ジャンいいですよねー。R読んでましたが、結局、何も進まないで終わっちゃいましたよねー。
千円のフカヒレ対決は、結構熱かったですが、でも、低温やけどは、あんまり意味無かったような。(笑)
ぜひとも続編を書いていただけないでしょうか?!
(飲茶)えっと、えっと、、、あの、、、実は、今、3冊目のオファーが来て、そっちを精一杯書いてます。それが書きあがったらその・・・。(2冊目もおなじこと言ってたような気が・・・)