パルメニデス「あるものはある、無いものは無い」
パルメニデス「無は知ることもできないし語ることもできない」
・上記のパルメニデスの発言が、哲学の「核心」だと思う。
・ここで言う「無」は、我々が日常的にイメージしている「無い」とは違うものである。
・ここで言う「無」は、真に「無い」のだから、(その定義上)我々は想像することもできない。
・たとえば、「全てがまったく無い状態を想像してください」と言ったとする。おそらくあなたは「真っ暗闇の何もない空間」を思い浮かべるだろう。しかし、それは「無」ではない。だってそのイメージでは「空間」が『ある』からだ。何かが『ある』のだから、それは『無』とは言えない。
・真の「無」というのは、「何もない空間」すらも「無くてはならない」。
・しかし、我々は、「空間が無い状態」を思い浮かべることも想像することもできない。
※カントも同じことを言っている。
■無のパラドックス
・しかし、にもかからわず、この真の「無」というのを、我々は「わかる」ような気もする。
実際、我々は「わかる」ような気がするから「何もない空間って真の無とは違うよね」と語れるのだ。
・パルメニデスが主張するように本来「真の無」は考えることも語ることもできない。
・にもかからわず「これこれは『真の無』とは違うよね」と考えたり語れてしまう矛盾。
・これを「パルメニデスのパラドックス」または「無のパラドックス」と名付けよう。
・実はこのパラドックスこそが、すべての哲学的問題に関わっており、哲学の核心なのだ。