2013年09月09日

マーク式感想による小説投稿サイトがあったらいいな

備忘録としてメモ。

<目的>
有用な感想がもらえるような「新しい小説投稿サイト」を考える!

<分析>
・アマチュア作家が、小説投稿サイトに、小説を載せる動機は何か?
 → 感想(反応)が、欲しいからッ!

 しかし、現実には、あまり感想がこない。

・なぜ、感想がこないのか?

(1)感想って書くのメンドイっす
  
 まぁ、感想って書くのにすごい時間がかかるよね。

「ここが悪いと伝えたいけど、どう言えばうまく伝わるだろう…
 悪いことだけ書くと、救いがないから、良いところも書こう…
 こう書くと、気分害しちゃうかなあ……うーん
 はっ!もう2時間たってる!」的な感じ。

(2)感想が短いとなんか罪悪感……

 小説書く苦労はわかってる……それなのに、感想が
 「おもしろかったです、あそこ良かったです」ぐらいだと
 なんか罪悪感がわいてくる……。

 →かといって、丁寧に長く感想を書くと膨大な時間が……

(3)作者とのトラブルこええええええ!

「正直に感想書いたら、作者が気分を害しちゃった!
 うわ!仕返しに、僕の投稿小説に酷評感想つけてきた!
 こんなことなら、感想つけなきゃよかった!」的な感じ。

<解決アイデア>
・感想は文章ではなく、任意の行を指定して、
「笑った、ダレた、見失った」などのマークをつける方式とする。
(本に、蛍光ペンで色をつけていくイメージ)

<感想者側のメリット>
・感想文を書くより、圧倒的に楽。なので数は集まりやすい。

・読みながら、「ついで」にできる。なので数は集まりやすい。

 ⇒普通は、やっと読み終えた後に、
 「えーっと」と感想文を考え始めるのでダルい。

 ⇒「うっわ、この文、何言ってるかわからん、腹立つわー」
  とリアルタイムの気持ちを、すぐにぶつけられて気持ちいい。
  (それだと集中して読めない人は、別に後でやってもいい)
  そして、読むに値しないと気づいたら、途中でやめてもいい。
 
・作者と議論しなくて良いから楽。

 ⇒あくまでも「オレが読んだときはこうでした」
  というサンプルデータの提供が名目。

<作者側のメリット>
・数が集まれば、有用なデータとして使える。

 ⇒「あー、やっぱり、あそこの表現でみんなつまづいたかー」
 ⇒「予想どおり、笑ってくれた。表現ひねっておいて良かった」
 ⇒自分の文章の長所、欠点の把握。手ごたえの確認ができる。

・感想レスをしなくて良いから楽。

 ⇒「感想ありがとうございました。おっしゃるとおりですね^^」
 と心を押し殺して、ニコニコ顔の感想レスを、いちいちつけなくて良い。
 もしくは、「たしかに、おっしゃるとおりですが、
 そういう展開にすると、こうなってしまうので……」と
 読み手の無益なアドバイスに、いちいち反応しなくても良い。

<課題>
・ひとつの作品に付けられるマークの数は制限するかどうか?
・マークの結果は公開するべきか?作者だけ見えるべきか?
・マークのフィルタリングは必要か?
 例)理解不能なマークをつけるユーザは統計から除外
・どんなマークを作れば有用か(作者の技術が向上するか)
 ⇒「誰の台詞かわからん」
 「何に対する説明なのかわからん」とか?

<想い>
プロ作家に聞いたところ、大半のアマチュア作家は、
「文章展開(情報の流し方)がダメ」であり、その一点だけをもって
「絶対、プロになれない」のだそうです。

ためしにプロ作家の人に
アマチュア作家の作品の序盤をリライトしてもらったのですが、
その差は歴然でした。

プロ:「ふんふん」と苦も無く、読み進められた

アマチュア:「誰の台詞?」「5行前の内容を今頃説明かよ!」など
       ところどころ、「うっ」となった。

なんかもう、
最初の数十行で「ふんふん」と読めないような書き方だと、
その後、どうクライマックスで盛り上がろうが、
ラストに大どんでん返しがあろうが、
編集さんに評価されず(売り物にできないと判断され)、
スルーされちゃうのだそうです。

でも、ほとんどアマチュア作家は、そこに気づかず、
(最初の数百文字で、ダメだと判断されているのに)
「クライマックス」や「ストーリー」や「キャラ描写」で
評価を得ようと、「序盤以後の何万文字(読まれない文)」
を苦労してひねり出してしまうのだと……。

その構図をきいて、すごく物悲しくなりました。

(ちなみに「プロになれないタイプの人」は、書くときに
 アニメみたいな映像を脳内で表示して、
 その絵をみながら描写(ノベライズ)をしているケースが多いそうです。
 作者は「キャラや情景」を当然くっきり思い浮かべられますが、
 読者は初見なので、真っ暗闇のなかで、手探り状態。
 この違いを意識できない作者は、読み手に「うっ」とさせるモノを
 無意識で書いてしまうそうです。しかも本人は気づかない…)

で、その問題に気づかせ、かつ、
技術向上をうながす方法はなんだろうかと常々考えていたのですが、
やっぱり、
「たくさんの人に読ませて、どこで脳が『うっ』となったか
 文の場所のサンプルデータを集めて把握すること」
が一番なんだろうなあと。

という想いから、マーク式の感想を思いたちました。
(この方式で解決するとは思わないけど、発端はここ、ということで。
 忘れないため、メモ)

※「プロが言ってたこと」に反響があったので、追記として
次の記事「「描写するときは空気も一緒に」ってプロが言ってた」を書きました。

posted by 飲茶 | Comment(9) | アイデア帳

2013年09月10日

「描写するときは空気も一緒に」ってプロが言ってた

※プロのアドバイスについて結構反響があったので、せっかくだから追記

 ちなみに、プロが言うには、
 描写は「空気(雰囲気)」も一緒に書かないと全然ダメらしい。

 たとえば、
 「幼馴染と一緒に公園のブランコに乗りながら話している場面」
 を描写するとした場合、
 プロになれない人、
 脳内でアニメ絵を思い浮かべてノベライズする人は、
豊富な語彙で、わかりやすく、その時間、場所、状況を
 上手に説明すること
」を頑張るわけですが、
プロは、
その状況を説明しながらも、出したい空気(雰囲気)を混ぜて書くこと
に神経を尖らせるそうです。

たとえば、この場面で書きたいことが「シリアスな相談」であれば、
「夕方」を寂しさを感じさせるような言葉遣いで表現しつつ、
「周囲に人がいない」ことを不安を感じさせるような言葉遣いで表現しつつ、
一緒にいる幼馴染の容姿の美しさを「はかなげ」な単語で描写しつつ、
視線、態度、表情で主人公との微妙な「距離感」を匂わせたりとか、

そんなふうな状況描写とともに
雰囲気(イメージ)」を読者に植え付けてから
会話を流すと、
読者は引き込まれるような臨場感を感じるのだそうです。

※これができずに、
脳内のアニメ映像のとおりに説明しちゃうタイプの人」は、
どうしても、「わかりやすい状況説明⇒キャラのかけあい」という
淡々とした感じになってしまい、玄人の読み手(編集さん)が読むと、
こいつが書いてるのは、小説ではない! 脚本だ!
となって、完全スルーされるのだそうです。

アマチュア作家のほとんどが「脚本」を書いていて、
まともな「小説」になっている人はそうそういないらしいですが、
とりあえず、空気感が「脚本」と「小説」をわける
キーワードだから気をつけて欲しい…
ってプロが言ってましたー。

※とにかく、「情報の出し方」と「空気感を出すこと」さえうまくなれば、
一気に「プロっぽい文章」が書けるようになる。
それ以外の文章作法は、「長いこと作家志望やってりゃそのうち直る」が、
この二つの壁だけはなかなか越えられる人は少ない。

これが越えられたら、あとは、いかに尖った売れるアイデアを出すかだが、
そこまできたらプロだって、わからない領域になるから、つまり
「プロと同じ土俵」で戦っていると自信を持ってほしい。
(神がかったアイデアさえ降りてくれば、
アニメ化、映画化するようなプロ作家になれる可能性は十分にある)

逆に、それ以前の人は、ハズレしか入ってないクジを引いてるようなものだから、
公募にだしても、いちいちドキドキしないこと。

ちなみに、そういうと、文章メチャクチャで大ヒットした作家を、
持ち出してくる人がいるが、そういうのは「例外」。
特殊な例外を自分に当てはめても良いことはない。
また、そういう例外タイプの人は、こんな文章作法の記事なんか読まないし、
読んでも「うぐっ」ともならないから。

ん?
感想(批評)なんかいらない?
文章なんか伝わりゃいいじゃん?
脚本みたいでも「キャラのかけあい」が楽しければいいじゃん?
じゃあ黙って二次だけやってr


あくまでもプロが言ってました

posted by 飲茶 | Comment(1) | アイデア帳