2009年02月01日

【漫画】鉄鍋のジャン

たまには、漫画話題を。

昔、はじめて読んだとき、すごい衝撃をうけて、
大好きになった漫画が「鉄鍋のジャン」です。
※以下、若干ネタバレなので注意

当時、結構、料理漫画はブームだったように思います。
(美味しんぼ、クッキングパパ、ミスター味っ子とか)
でも、たいてい、それら料理漫画に共通していたのは、
相手のことを思いやった料理を作った方が勝ち
相手を感動させるような料理を作った方が勝ち
正しい食文化の知識を持っている方が勝ち
というものでした。

しかし、鉄鍋のジャンは違います。
まず、主人公がとても凶悪な顔で、カカカカカ!と笑い、
他の料理人も、そして、料理を食べる側までも、
全員を見下した態度を取ります。

そして、「料理は勝負だ!」と言い放ち、
とにかく、他の料理人に勝つことだけを考える主人公なのです。

■普通の料理漫画の場合

普通の料理漫画の場合、料理対決はこんな感じでしょう。

まず、ライバルが作った料理を、審査員が食べる。
みんなうまいと褒めたたえる。
次に、主人公が作った料理を、審査員が食べる。
すると……「うわあああ!うまいい!断然うまい!
と劇的に過剰に、主人公の料理を褒めまくる。
これに比べたら、あいつの料理は味が単調で…
などと突然、手のひらを返したように、ライバルの料理をけなし、
主人公の料理を絶賛。そして、なぜ、主人公の料理がこんなにうまいのか、
の種明かしの説明が始まる。

まぁ、だいたいこんな感じでしょうか。だから、
たいてい料理対決は、最初に料理を食べさせた側が負けになり、
後から食べさせた方が勝ち、という定番のパターンになります。

■鉄鍋のジャンの場合

しかし、ジャンだと違います。

まず、主人公が作った料理を、審査員が食べる。
みんな「まぁまぁだねえ、おいしいねえ」と普通に褒める。
次に、ライバルが作った料理を、審査員が食べる。
すると……「ぎゃあああ、まずいーー!こんなの食えるかー!
とライバルの料理を口から噴き出す。

とか、こんな感じです。(笑)

このケースの場合、ライバルの料理人は、とても努力家の性格のいい人で、
一生懸命がんばって、油ものの料理を作るのですが、主人公は、それを察して、
甘いスープ」を作って先に審査員に飲ませてしまう。

それで血糖値があがり、満腹感が高まると、
もはや脂っこい料理を食べても、うまくない、
という罠なのです。

つまり、この漫画の料理勝負は、
相手の料理に勝てばいい」という価値観なのです。

なにより、一番笑ったのが、チャーハン作りの勝負で、
主人公が、「チャーハンは火力だ!!」とか言って、
とんでもない火柱をあげて、チャーハンを作るのですが、
実は真の狙いは、天井の火災探知機を作動させ、スプリンクラーを動かすこと。
次の瞬間、スプリンクラーから、大量の水がふってきて、
相手のチャーハンが水浸しになって台無しになってしまい……

主人公、大勝利ー!

…………。

って、もはや料理の美味しさ関係ねえ!!

とまぁ、他の料理漫画と、全然違う次元で勝負したりするところが、
新しくて僕はとても好きです。
というか、そうか、そういう料理漫画の発想もあったのか、
と目からウロコが落ちたのです。

(それが当たり前になる頃には、その斬新さが薄れてしまうのですが……
なので、ジャンは最初の巻ほど面白いです)

というわけで、★4つ。
評価★★★★(面白い!ぜひ読むべし!)


新しい発想を思いついて、きちんと他の料理漫画と
差別化した戦略が偉いなあと思いました。




2009年02月17日

はじめてのヒーロー

最近、週刊少年ジャンプの「バクマン」という漫画が面白いです。

今週号のジャンプで、スランプになった漫画家志望の主人公が、
子供の頃に書いた漫画のノートを探して、
 そこに自分の原点を探そうとするシーン

があって、
ああ、なんかわかる。子供の頃って、
オリジナルロボットとか、オリジナル超人とか、
そういうのノートに描いて遊んでたなあ。案外、そういうのに
自分の好みや考え方の原点ってあるのかも

と懐かしい気持ちになったのですが、
よくよく思い出してみると……
それどころか、僕も中学生のとき、ノートに漫画を描いてました……。

いえ、おそらく、そのノートは(黒歴史として)処分したので、
たぶんもうないとは思いますが、
若気の至りというか、なんというか、やってしまいました的な
へったくそな漫画を描いていたような気がします。
たしか中学1年生のときです。
授業中、ずっと漫画を描いていて休み時間になったら友達に見せて、
また次の授業中、2、3ページ書いて、休み時間に見せて……と、
時刊の連載漫画家きどりだったような痛々しい記憶があります。

さっきオリジナルロボットの話を出しましたが……、ちなみにその頃、
僕は、オリジナルヒーローを創作して漫画を描いてました。
(中学生にもなって)
僕が考え出したヒーロー、その名は……

宇宙刑事カットウダー

たぶん、大好きだった「宇宙刑事シャイダー」に
感化されて作ったオリジナルヒーローだったと思います。
ようするに、地球征服をたくらむ悪の組織と戦うため、
仮面ライダーみたいに、変身して戦うヒーローです。

ただ、そのヒーローには、ちょっとだけ、変な設定があって……、
カットウダーは、その名のとおり、「葛藤エネルギー」が原動力であり、
葛藤すればするほど強くなるという設定になっていました。

でも、悪の組織は、それを知らないので、
いつも、カットウダーを倒そうと……

わははは、どうだカットウダー!人質を取られては手も足もでまい!
く、くそー、卑怯だぞ!
みんなの平和を守るためには、やつを倒さねばならない。
だ、だが、そのために個人の命を犠牲にして良いはずがない。
いったい、どうすればいいいいいいんだああああああ
カットウダービーーーム!

ぎゃああああああああああああああああ!

とか。

わははははは、どうだカットウダー!
 おまえの友達を改造して、敵として送り込んだぞ!

うおおどうすればいいカットウダースパーク!
ぎゃああああああああああああああああ!

とか。こんなふうに、敵は、カットウダーの原動力を知らないので、
彼を倒そうと、いつも彼を苦しめることをしてくるのですが、
全部うらめにでてしまい倒される、という展開なのです。

ちなみに、最後は、悪の組織は実は、悪ではなく、
人類こそが(自然破壊的な意味で)悪であった
ということがボスから明かされ、
それでも、まだ人間を救うというのかカットウダー!
と衝撃の事実を突きつけて精神的に追い詰めるが、
これまた当然、葛藤パワーが炸裂して、ボスを倒すが、
ぐはぁ〜、だが、ワシを倒しても、
すでに地球は人間の汚染で手遅れだ!

と滅亡の危機になるが、好き放題やってきた人間たちも、
ここにきてよくやく自分たちの犯した罪に気づき、葛藤をはじめ、
そして、地球人類みんなの葛藤エネルギーが、カットウダーに集まり、
奇跡がおき、
ラストは、「見たか。人間には葛藤するという力があり、
葛藤することで、どんな問題でも乗り越えられるんだ!
おれは人間の葛藤するパワーを信じる
」とか
わけのわからないことを言って終わるみたいな……。

うわあああああああああああああああああああああ
すっごい黒歴史ですね!

これが……僕の原点か……
posted by 飲茶 | Comment(19) | TrackBack(0) | アイデア帳