2008年06月03日

理論カードについて

●理論カードを場に出すには?

理論カードには、構築する(場に出す)ために必要な「★の数」が書かれています。
たとえば、「物理★★★ 数学★★」と書かれた理論は、
これらの★を満たす科学者の上に、置くことができます。

もう少し具体的に言うと、

「徹夜明けのポストドクター:物理★」は、
「物理★」の理論カードならば、構築可能(上に置ける)。
しかし、「物理★★」の理論カードだと、
★の数が足りないので、構築不可能(上に置けない)。

という感じです。

●応用構築について

理論カードを場に出すには、もうひとつ方法があります。
それが応用構築 です。

ある特定の理論カードには、「応用」マークがついているのですが、
これらのカードは、他の理論を応用(遊戯王で言うところの生贄)しないと、
構築することができません。

たとえば、「応用:数学1」と書かれている理論カードは、
数学の理論カードを1枚、忘却の彼方(墓地)へ送ることで、
場に出すことができます。

なお、特定カードを応用して構築することで、能力が上がる理論カードもあります。

「特殊相対理論」は、構築するために数学理論を1枚、忘却の彼方(墓地)へ
送る必要がありますが、その数学理論が「ローレンツ変換」であれば、
攻撃力がアップするなどの特典がつきます。

●理論カードの攻撃力と防御力について

理論カードは、ぶっちゃけて言うと、

遊戯王のモンスターカード
MTGのクリーチャーカード

に対応するもので、攻撃力、防御力を持ったバトル用のカードです。

さて、モンスターカードならば、「攻撃力」「防御力」で良いのですが、
理論カードで、「攻撃力」「防御力」はおかしいですよね。

そこで、アカディミアでは、理論カードの「攻撃力」「防御力」を
以下のように言い換えています。

攻撃力 ⇒ 衝撃力(センセーショナルパワー)
防御力 ⇒ 普遍力(ユニバースパワー)

いきなり「衝撃力」「普遍力」と、耳慣れないことを言われても、
「あれ?どっちが何だっけ?」と混乱するかもしれませんが
カード上では、

「剣のように見えるペン」のアイコンの数字が「攻撃力(衝撃力)」
「盾のように見える本」のアイコンの数字が「防御力(普遍力)」

と、直感的にわかるようなデザインに工夫していますので、
「衝撃力」「普遍力」という言葉に慣れなくても、
不都合なくバトルできますので、ご安心ください。

ともかく、結論としては、
理論カードは、攻撃力と防御力に
相当するパラメタを持っているバトルカードである
ということです。

●衝撃力、普遍力について

衝撃力(攻撃力)は、その理論の「世界に与える影響(反響、衝撃)の大きさ
を表しています。
たとえばの話し、進化論のような、それまでの世界観を揺るがしてしまうほどの
センセーショナルな理論は、攻撃力が高い、というイメージになります。

一方。

普遍力(防御力)は、その理論の「学問の世界における普遍性の大きさ
を表しています。
たとえばの話し、ピタゴラスの定理のような、今後、どんなに科学が進歩しても、
ひっくり返る(反証される)可能性の少ない普遍的で基礎的な理論は、
防御力が高い、というイメージになります。

したがって、たとえば、数学理論の多くは、
(センセーショナルではないが、普遍的なので)
攻撃力は低いが、防御力が高い
という傾向になっています。

逆に、ビッグバン理論などの「宇宙論」の場合は、
(センセーショナルだが、反証の可能性が高いし、実証するのが難しいので)
攻撃力は高いが、防御力が低い」という傾向になります。

したがって、このような傾向の違いをふまえて、

うーん、
数学理論は、色々な理論の「応用」に使われ易い分野だし、
まずは、数学理論を揃えて、守備を固めよう……。
そして、宇宙論を応用構築!一気に勝負をしかけるぞ!


という感じで、デッキの構成を考えることもできます。

●バトル時の叫び方

なお、慣れないうちは、普通に、
「理論Aで攻撃!300のダメージ!」
と直感的に言ってもOKです。

ですが、慣れて、玄人になったときには、
以下のようにバトルすることをおススメします。

理論Aで攻撃!
300センセーーショナァーーールッ!


させるかー!理論Bオープン!
400ユニヴァァァァァーーーーースッ!




きっとこのゲームが流行ったときには、街のいたるところから、
こんな叫び声が聞こえることでしょう。

ユニヴァァァァァーーーーースッ!


2008年06月13日

経営者育成セミナー参加日記(5)〜奇手〜


奇手!!
悪魔的奇手!!


このゲームで大勝するためには、どうすればいいか?

休憩時間中、僕は、ずっとそればかりを考えていた。

そもそも、このゲームの目的は、
材料を買い、商品を作り、市場で売り、お金を儲けること
である。

単純に考えれば、
材料費や加工費よりも、商品を高く売れば、確実に儲かる
ような気もする。

だが、これは経営戦略を学ぶゲームだ。
そう一筋縄ではいかないだろう。

おそらく、一筋縄ではいかない部分というのは……
商品を売るときに、参加者と価格競争をしなければいけない
というところだ。

みんながみんな商品を売りたいのだから、
人より安い値段をつけざるを得ない。
結局、価格競争になっていき、
実際には、売れても少ししか儲からないような
そういう低価格で商品が売られていくだろう……。

そんな価格競争にまともに参加したら、大儲けするのは難しい。

とすれば……。

まず……すぐに思いついたのは、談合だ。

つまり、価格競争のときに、みんなで口裏を合わせて
高い値段をつけて売り出せばいい。

たとえば、みんなで示し合わせて、11万円という高い値段を提示し、
ひとりだけ、10万という少し安い値段を提示すればいいのだ。

こうすれば、原価1000円の商品を、10万円で売ることだって可能だ。

こういう談合を、
「今回は、Aさんが儲ける番。
 次は、Bさんが儲ける番。次は、Cさんが……」
と、順番に繰り返していけばいい……。
これで、全員が大儲けすることができる。

が、この方法は現実的には不可能だろう。

だって、裏切られるかもしれないからだ。

たとえば、談合をやって、他人が儲かった後で、
いざ自分の番がきたときに、いきなり、相手が約束を反故して、
約束どおりの値段を出してこないかもしれない……。

そういうリスクを考えたら、談合はなかなかできない。

まして、参加者が2人、3人なら、ともかく、
こんなにたくさんの参加者がいたら、
とても談合の交渉なんかできない……。

談合で儲けるのは、まず無理だろう……。

そうすると、あとは……独占販売……か。

僕の脳裏に、講師のある言葉が強く印象に残っていた。

「さあ、このままでは、私の商品しかないので、
 私の独占販売となってしまいます。
 それを阻止するために、みなさんで競合商品を出してください」


その言葉に出てきた重要なキーワード。
独占販売……。

そう、自分が商品を出したときに、競合商品がなければ、
独占販売となり好きな値段がつけられる。
それこそ、10万円でも、20万円でも。そうなれば当然、大儲けだ。

もちろん、参加者の数から行って、
自分だけが商品の在庫を持っていて、
 他の人が商品を1個も持っていない

なんて状況が、そうそう都合よく起きることはないだろう。

でも、うまく……その状況を作り出すことさえできれば……。

自分だけが商品を持っていて、他人が商品を持っていない状況……。

僕は、思考のピントをそこに合わせ、考え続けた。

「ああ!」

……そして、あるアイデアにたどり着く……。

きっかけは違和感だった。

講師のゲームの説明のなかに、ひとつだけ、現実と合わないところがあった。

「あの、売れた商品のコマはどうするんですか?」

「はい、売れた商品のコマは、
 テーブル中央の材料置き場に戻してください」


このシーン。
これは、現実でいえば、
商品が売れた瞬間に、リサイクルされて、資源に戻される
ということになるが、ちょっと現実的ではないので、
かるい違和感を感じて印象に残っていた。

そのシーンを思い出して、ピーンときた。

ええと、待てよ。

じゃあ、ずっと商品が売れなかったらどうなるんだ???

コマは、材料に戻らないから……。

材料がなくなっていき……材料がなくなれば、
好きに商品を作ることができない!

いやいや、まてよ。
それよりも、いっそ、僕が、ぜんぶ材料を買い占めたとしたらどうだ……。

僕が商品を売らないかぎり、材料のコマは増えないのだから……
誰も、商品を作ることができない……。


「ああああ!!!」

思いついてしまえば、あまりにもシンプルな戦略。

材料買占め戦略。

材料を買い占めてしまえば、誰も商品を作ることができなくなる。
そうすれば、自分だけが商品を持っていて、他の誰も商品を持っていない、
という状況を作り出すことができる。

う……うぅ……すごいことを思いついてしまった……。

ちょ、ちょっと、待ってよ。
そのまえに、買占めってどれくらいお金がかかるんだ?

僕は、テーブルの中央に並べられた材料のコマを
目測で数え始めた……。

……うぅ……、か、買える。
……手持ちのお金で、全部買える……買えてしまう!


限度額いっぱいの借金をしていたことが功を奏した。

その気になれば、材料置き場にある材料のコマを
すべて買い占めることが可能……!

もっとも、材料置き場の材料を買い占めたところで、
みんなまだ商品(あとで材料になるコマ)を持っているのだから、
「この場に存在するすべての材料」を僕が買い占めたことにはならない。

でも……。

たとえ、そうでも、今、材料のほとんどを買い占めてしまえば、
場に流通する材料(商品)の数は、間違いなく激減する。

そうすれば、自分が商品を売るときに、誰も商品を持っていないという
状況が自然に起こるかもしれないし、また、自分の番のときに、
材料置き場に材料が残っていたら、少しずつでも買って回収していけばいい。

少なくとも、大半の材料を持っている僕が、
材料の流通を制御することができるわけで、
有利にゲームを進められるはずだ。

だが……。

本当に、そんなことをしてもいいのだろうか?

まず、ゲーム序盤から、資金の大半を使い果たすことになる。
一度、材料買占めを実行してしまったら、もう後戻りはできない。

本来、使われるであろう、設備投資、工場拡張などの資金を
すべて犠牲にして、材料買占めを行うのだ。
来年になれば、また借金して、資金を得ることができるとはいえ、
設備投資という面において、大きく出遅れることになる。

こんなゲーム序盤から、こんな大勝負をしかけてもいいのだろうか……?

「えー、次は、飲茶さんの番です」

来た!自分の番だ!

どうする!どうする!

ここは、様子見か……?
こんな序盤から、そんな思い切った手を打たなくても……。

いや、だめだ!
この戦略は、後になればなるほど、不利になる。
ターンが進み、材料が買われていけば、材料の買占めが難しくなる。

やるなら……、今……!このゲーム開始直後……!
こんな戦略を誰も想像していない、今しかない!

ぐずぐずしてたら機を逸する!!

やらなくてどうする?
勝つために……勝つために生きなくてどうする!?

行くんだ!ここは勝負だ!!


「飲茶さん?自分の行動を宣言してください」

「……材料を……買います」

「はい、いくつですか?」

「ぜんぶ」

「え?」

「あの材料置き場にある材料……全部ください!

ざわ……ざわ……

奇手!

材料買占めによる
独占販売戦略
開始!