2008年05月02日

AcademiA(アカディミア)、科学者カードについて

今回は、科学者カードについて、詳細を説明します。

●属性について
科学者カードには、「属性」というものがあり、
属性によって、さまざな特殊能力が付加されます。

以下、それぞれの属性について。

◆共同
この属性を持っている科学者カードは、
他の科学者カードに、共同研究者として重ねることができます。

共同研究者の「★」を加算して理論構築ができるので、
低い能力の科学者でも、たくさん、共同研究者を重ねると、
高レベルな理論が構築できます。

たとえば、
科学者A【物理★★】 + 共同研究者【物理★】
のとき、
「物理★★★までの理論」が構築可能です。

◆孤高
この属性を持っている科学者カードは、
共同研究者を重ねることができません。
この属性は、天才肌、人間嫌い、変わり者の研究者がもっており、
共同研究により、★は増やせませんが、
多くの場合、単体で、高い能力を持っています。

◆潔癖
「捏造」などのモラルの低いイベントカードを
利用することができません。

◆不遇
この属性を持っている科学者カードは、
まず裏にして場に出し、次のターンに表にする、
という手順を踏む必要があります。

つまり、一定時間(ターン)待たないと使えない属性です。

※なお、↑の「裏にして出す」「表にする」のどちらも、
科学者カードをひとつ出したとしてカウントするので、
同時に他の科学者は場に出せません。
(1ターン中に出せる科学者の数は1枚だけ)

アインシュタインなどのように、
科学者の道にまっすぐ進まなかった(進めなかった)ものが
この属性の対象になります。

◆短命
この属性を持っている科学者カードは、
数ターンで、忘却の彼方(墓地)へ消えます。
ラマヌジャンなど、短命の神がかり的な天才が対象になります。

◆伝説
伝説(レジェンド)属性を持っている科学者カードは、
自分と相手の場を含めて、1枚だけしか出せません。

もし、場に出したとき、すでに同じ科学者カードがある場合は、
その科学者は、忘却の彼方へ送られます。
(これをドッペンゲルガー効果と言います)

したがって、相手が伝説の科学者を出して、超強力な理論を武装していても、
同じ科学者を場に出すだけで、相手の科学者と理論を破棄させることができます。
(もちろん、その逆もありますので、注意が必要です)

●正式名称はアカディミストカード
ところで、今までわかりやすくするため、科学者カードと言ってきましたが、
一応、正式には、「アカディミストカード(学問を探求するもの)」と呼びます。
将来的には、バージョンアップとして、科学者だけではなく、
哲学者、数学者、社会学者、思想家など、さまざまなジャンルの
学者が登場する予定です。

他にも、面白い属性のアイデアがあれば、
コメント欄までお願いします!

2008年05月19日

経営者育成セミナー参加日記(3)〜借金〜


「みなさんに、これから商品を作る材料を
 買っていただくことになりますが、
 残念ながら、今、みなさんは、無一文です。
 したがって、まず最初に、
 銀行からお金を借りていただきます。
 つまり……借金です」

ざわ……ざわ……

最初から借金だって?

一瞬、面食らったが
でもよく考えてみると、なにも驚くことではない。

起業するときにかき集めたお金が、
会社の設立費や設備投資として消えてしまい、
運転資金は「借金」でまかなうというのはよくあることだ。
というか、自分の会社がそうだ。

もちろん、僕も会社勤めのサラリーマンの頃には、
「借金」というものに対して、過剰な拒否反応を持っていた。

金の貸し借りはしてはいけない。ましてや借金など

でも、実際に経営者になってみると
「借金」はそれほど特別なものではないということがわかった。
経営者にとって、借金など、金策の手段のひとつであり、
日常茶飯事のことなのだ。

金が尽きれば、会社は終わりである以上、
リスク(思わぬ出費)も含めて、金があるに越したことはない。

下手に躊躇して、借金しないで、切り抜けようとして、
肝心のときに、やっぱり金が足りず、大変な目にあったことも何度もある。
(そういうときは、親戚にお金の相談をするなど、とてもみじめ)

まわりは、まだざわついているようだが……、
どうやら実際に経営をしている人間は、ほんの少ししかいないようだ。
なるほど、こうして、冷静にまわりをみれば、
参加者のほとんどは、おそらく、どこかの企業の部長・役員クラス、
経営の勉強ということで、会社が受けさせた研修なのだろう。

借金の意味、重要さ、恐ろしさ……そういう実体験のない彼らなどに
地獄を経験した自分が負けるわけがない……絶対に勝つる。


などと考えていたら、

「ところで、借金するといっても、このゲームには破産はないので、
 安心してくださいね」

突然、講師が、ニコニコしながら、そんなことを言い出した。

ええ!?そうなの!?

講師は、借金のシステムについて、さらにこう説明した。

「もちろん、現実の経営では、破産が存在しますが、
 このゲームで破産を認めてしまうと、
 資金が0になってしまい、残り時間をただ何もしないで、
 ぼーっとほかの人のプレイをみて過ごすだけになってしまいます。
 それでは、せっかくセミナーに参加した意味がありません。
 そこで、毎年、―もちろんゲームの中の時間でのことですが―、
 銀行から、追加で借金ができるようになっています。
 もちろん、赤字はどんどん計上されて、増えていきますが……。
 しかし、毎年、運転資金は補充できますので、
 挽回のチャンスは常にあると言って良いでしょう」

なるほど、もし午前中で破産しちゃったら、
午後はずっと何もしないで眺めているだけになってしまう。
講師の「破産はない」という話はとても納得した。
だが、甘い話だけではなかった。

「もちろん、それでは、現実の経営と比べて
 ゆるい設定となってしまいますので、このゲームでの借金の金利は、
 ……このような数字にさせていただきました」

ぐぐううううっっ!!

な、なんだこの金利は!?暴利だろ、これ!?

「どんな赤字会社でも、毎年、借金ができるのですから、
 この金利は非常にリーズナブル、
 ……良心的金利となっております


ざわ……ざわ……

詭弁だ。この金利の数字は、ようするに、プレッシャー。
さあ、他人の足をひっぱってでも、利益を出せ、
出さないと、借金地獄という底なし沼に、飲み込まれてしまうぞ、
という明確な脅し。

おそらく、講師が一番恐れるのは、
参加者全員が、たいした損も得もせず、動きのないまま、
ゲームが終わってしまうことだ。
でも、こんな高金利なら、参加者は、他者を蹴落としてでも、
必死に黒字を出していかざるを得ない。

こんな金利にしたのには、おそらく、そういう理由があるのだろう。

このゲームは、勝ち組と負け組が、はっきりとわかれることになる

そんな直感が走った。

「では、銀行からいくら借りるか、ひとりひとり申告してください」

講師の指示で、時計回りにひとりひとり、
銀行からいくらお金を借りるか申告していく。

これからどんなゲームが行われるかわからない、
借金すれば、その分、利息を返していかなくてはならない、
みな考えながら、限度額の10%〜30%ほどの、
無難な様子見の金額を提示していった。

そうだよな。最初から、いきなり大きな借金して、
もし、失敗したら、多額の負債になるし、
その後、利息を返すだけで精一杯という状況になるかもしれない。
しかも、現実の銀行と違って、とても高い金利……いわば暴利。
もし、足りなければ、また来年、追加で借りることもできるのだから、
まだゲームの内容が見えていない現時点では、
無理にたくさん借りる必要なんかない。

ここは、みんなと同じような金額で……。

そう考えていたところ、僕の隣の席の
一癖も二癖もありそうなおっさんが講師にこう述べた。

限度まで

ざわ……ざわ……

うぅ……!!

いきなり、ルール上の限度金額いっぱいの借金。

も、もしかして、こいつリピーター(ゲーム経験者)か……!?

だが、まてよ、こいつの判断は正しいかもしれない。
このゲームは、材料を買って、加工して、商品を作って売りさばく、
という一見シンプルなゲームだが、
おそらく最大の問題は、競争相手がいるということだ。

まだ明かされていないが、おそらく、設備投資をして、
他社よりも、有利な状況を作り出し、
競争に勝っていかないとならないのだろう。
だとすると、資金は多ければ多いほうがいい。

そうさ、現実の経営だってそうじゃないか。
借金はしない方がいい、借金は少ない方がいい、
そんなのはわかってる、でも、それは経営者の考えではない。

経営者にとって、金は寿命……、戦場で言うところの実弾だ。
それが尽きたら、何も打つ手がなくなる。
だから、むしろ、逆の発想……
借りられるだけ借りろ、だ。

どうせ、経営者なんて、コケたら、それで終わり。

1000万借りて、破産するも、
3000万借りて、破産するも同じこと。

たすかった……もう少しで見誤るとこだった。

講師にむかって、僕はこう宣言した。

飲茶です……限度まで

2008年05月24日

AcademiA(アカディミア)、世界観について

アカディミアの世界観について。

当初、「学会(科学者たち)をひきいて、庶民の賛同を得るために、
理論武装して戦う!
」という世界観を考えていたのですが、
将来アニメ化すること 低年齢層のことも考えて、こんな世界観にしました。

◆世界観
舞台は、緑豊かな呪術の世界アレクサンドリア

大地の8割が「森」という自然あふれるその世界では、
人々が、多くの迷信を信じ、自然(森)を恐れつつも、
素朴に、そして平和に暮らしていた。

だが、あるとき、古代遺跡から、巨大な建物と、
そこに眠っていた大量の本が発掘される。

謎の古代文字で書かれたそれらの本には、
かつて栄華を誇ったが、その優れた力ゆえに滅んでしまったという
伝説の古代文明の知識が記されていたのだった。

古代文明の未知の力に、目の色を変えた人々は、先を争って盗掘を行い、
多くの本は持ち去られてしまったが、
アレクサンドリアでも有数の識者であり、発掘隊を指揮していたトクガワは、
残った本を集め、失われてしまった技術を取り戻すための研究を開始。

そんなトクガワの元に、各地から前途とある若者たちが集まり始め、
日夜、古代の「歴史の勉強」と「理論の理解」に励むようになる。

そして、その場は、いつしか
アカディミア」と呼ばれるようになるのだった。

――という世界観です。

ちなみに、バトルについては、
トクガワが、古代遺跡から「教育用マシン」と思われる機械を発掘し、
その機械を使って、互いの知識と理解を確かめるために、
バトルするって感じです。ようするに、遊戯王で言うところの、
おまえのアカディミストとしての力を試してやるぜ」的なノリで。

とにかくようするに、

――科学文明が失われたはるか遠い未来……

古文書に書かれた伝説の究極理論
「Theory of Everything」の復活を目指して、
謎の古代文字で書かれた書物のページ(カード)を集め、
そのページを閉じたバインダーを片手に、
伝説の科学者・哲学者(アカデミィスト)を召喚し、
失われし理論を構築・武装して戦う、
それが、アカディミアカードバトルだ!

って感じなんですが、どうでしょう。

2008年05月30日

経営者育成セミナー参加日記(4)〜閃光〜


――最大限の借金をしてしまった。
――もう後戻りはできない。


「では、みなさん、資金も調達できましたので、
 早速ゲームを開始しましょう。

 まず、このゲームは、ターン制です。
 私の左隣の人から、時計回りに、
 経営者として何をするか宣言して行動していただき、
 1周して、全員の行動が終わったら1ヶ月が終了です。
 これを繰り返すことでゲームが進んでいきます。

 さて、このゲームで、経営者ができる行動は、5種類です。
 具体的には、

 (1)『材料を買う』
 (2)『商品を作る』
 (3)『商品を売る』
 (4)『イベントカードを引く』
 (5)『投資を行う』


 の5つです。
 まぁ、それぞれについて、説明するよりも、まずは実際にやってみた
 方が早いでしょう。
 ゲームの基本的な流れを把握していただくため、
 最初の3ターンは、私の言うとおりに、行動していただきます」

●(1)『材料を買う』

「では、まず材料を2個買ってみてください。
 そのためには、自分のターンが来たときに、
 『材料を2個買います』とみんなに向かって宣言します。

 はい、宣言したら、テーブルの中心をみてください。
 四角いコマが大量に山積みになっていますよね。
 あそこは材料置き場で、四角いコマが材料です。
 あのコマを2個とってきて、目の前の材料倉庫に置いてください」



「はい、そうしたら、今度は、シートに、
 材料を2個買ったことを記入してください。
 これで、1ターン目は終わりです」

●(2)『商品を作る』

「では、次のターンは、買った材料を商品に加工しましょう。
 さきほどと同様に、自分のターンが来たときに、
 『材料を2個、商品に加工します』と宣言してください。
 そして、材料倉庫にあった2個のコマを、商品倉庫に移動してください。
 商品倉庫に移動した時点で、材料のコマは、商品として扱われます」



「移動したら、シートに、加工にかかった費用を記入してください。
 はい、これで、いま、みなさん全員が、商品の在庫を2個持ちました」

「ところで、材料は、一度にいくらでも買えますが、
 商品にするには、現時点では、2個づつしかできません。
 つまり、4個材料があっても、それらすべてを商品にするには、
 最低でも2ターンかかることになります。
 2個づつしか加工できないのは、工場の規模が小さいからです。
 投資を行い、工場を大きくすれば、
 一度に加工できる材料の数がどんどん増えて行きます


●(3)『商品を売る』

「さあ、いよいよ、商品を売ってお金を稼ぎましょう。

 テーブルの真ん中をみてください。
 地区で色分けされた大きな日本地図がありますね。
 商品を売りたい人は、自分のターンのときに、
 この地図のどこでも好きな地区に商品のコマを置いて、
 売ると宣言してください。

「ためしに、私が、商品を2個、売ってみますね」

講師は、東京の地区に、商品のコマを2個置いた。

「さあ、このままでは、私の商品しかないので、
 私の独占販売となってしまいます。
 それを阻止するために、みなさんで競合商品を出してください」

講師の指示にしたがい、全員が競合商品として、
自分の商品のコマを2個、東京地区に置いた。

「では、バインダーの中に入ってる『数字の札』を出してください」



「その『数字の札』で、他の人に見えないように
 商品の値段を作ってください。
 そして、『オープン!』の掛け声で、
 みんなでいっせいに値段を見せ合います
 そのときに、一番、安い金額だった人の商品だけが、
 その値段で売れます。
 では、実際にやってみましょう」

みんな机の下で、ごそごそと、自分の商品の値段を設定する。

「いいですか?それでは、みんなでいっせいに値段を出しましょう」

オープン!

みな、最初なのでよくわからず、適当な金額の札を出し、
なかでも一番安い金額をつけていたBさんの商品が売れることとなった。

「おめでとうございます。その値段で、Bさんの商品が2個売れました。
 Bさんは、シートに売れた金額と個数を記入しておいてください」

あれ?売れなかった僕の商品はどうなるんだろう?

そう思っていると、講師は、

「売れなかった人は、商品のコマを倉庫に戻してください」

なるほど、売れなければ、商品は倉庫に戻ってくるのか。

「あの、売れた商品のコマはどうするんですか?」

商品が売れたBさんの問いかけに、講師は、

「はい、売れた商品のコマは、
 テーブル中央の材料置き場に戻してください」

と答えた。

「どうですか?これがゲームの一連の流れです。
 基本的には、今、やったことを繰り返して行うだけです。
 簡単でしょう?
 まだほかに、
 (4)『イベントカードを引く』
 (5)『投資を行う』

 がありますが、これは種類が多いので、
 バインダーの中に入ってる説明書を直接見てください。
 さて……、では、少し休憩しましょう」

こうして、僕たちは休憩時間に入った。

タバコをふかしに席を立つもの。
隣の席の人とゲームの感想について語り合うもの。
じっと説明書を読みふけっているもの。

僕は、自分の席で、ぼぉ〜っとしていた。

なるほど、面白い。ゲームとしては単純だが、
みんなで商品の値段の札を見せ合うところなんか、
いい感じで心理戦になりそうだ。
このゲームにおいて、どんな経営戦略が有効なのだろう……。


そんなことを取りとめもなく考えていたとき、そのとき……!

圧倒的ひらめきっ……!

閃光……光が……飲茶の脳を刺す……!

ゲーム開始早々、ひらめく……!


経営者殺し……!
悪魔的奇手……!